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そうだったのね、慰安婦問題!

いろんな風説入り乱れ、何がなにやらわからん感じの慰安婦問題。天才鳥類フォーゲル教授がこの問題の勘所を、人間の頭でもわかるよう解説したまとめです。

更新日: 2020年05月23日

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こうしたネトウヨの常套句を外国人に向けたとしてどれだけ説得力をもつか?   ↓

慰安婦が性奴隷って大嘘だろ。自分で募集に応じて将軍なみの高収入と好待遇、一財産きずけたんだ。「強制連行」なんて濡れ衣もいいところ。日本軍は完全に無実!

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帝国日本が1940年代前期、アジア太平洋水域の覇権を牛耳ろうと国の命運を賭して大々的な軍事遠征をおこなったことは、どの国でも公認の、世界中で安倍政権の支持層だけが認めようとしない(彼らの頭では、「自衛」と「解放」が開戦動機)歴史的大事実である。
だから今更、その企てに動員された何百万もの将兵に国があてがった「女性配給制度」の不備について、「軍は関与していない」と言い張っても仕方ないし何の免罪にもならないはずだが(すべての日本兵が押し込み強盗なのに)、「性奴隷ではない、強制連行ではない」と唱えるのがよほど意味をもつことだったらしい。

(中略)

ようするに。安倍政権の慰安婦問題への対処ほど、負けることが確実な相手めがけて突っ込んでいった事例もないわけだ。この件では、日本の歴史修正主義者の守ろうとしたものこそ何にもまして彼らに傷をあたえた。
それはすなわち、後代の者が誇りに思うことを許さない日本軍国主義の負の遺産であり、大東亜戦争の大義など通じるはずのない世界の中でなお旧軍の名誉にしがみつく勢力にとって、最後まで足枷となり続けたのだった。

「慰安婦戦争」で安倍政権や国家主義者が敵に回したものの正体は韓国などではない、彼らには絶対に倒せない相手、日本軍の亡霊なのである。
この亡霊は国を愛する者の味方のような振りをするが、過去の栄華にあやかろうと集まる手合いを、最後には地獄の底にまで引きずり込んでしまうのだ。


「慰安婦問題について百万回でも書かねばならないこと」
(戦争を語るブログ)
http://blog.livedoor.jp/manfor/archives/cat_10034021.html
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さて。
ネトウヨ思潮に毒された人々の思うことはわかっている。
「御国のため命を捧げた日本の兵隊さんは金めあての売春婦なんかよりずっと気高い存在なのに、海外の声ときたら「いわゆる従軍慰安婦」の身ばかり気遣い、皇軍のほうは性犯罪者のように見て、まったくリスペクトがないのはどうしてだ?」

なるほど。なぜ海外の論調は、いつまでも安倍政権やネトウヨ諸氏の思う通りにならず、慰安婦たちに味方し日本側を悪く言うのか?

そりゃ、あなた。娼婦は身を売って金を得るだけの無害な存在だけど、日本軍のほうは力付くでアジアを奪おうとした有害きわまる武装集団だったからですよ。
まして、「いわゆる従軍慰安婦」は無理やり娼婦にされた日本軍国主義の犠牲者なんだから同情されないわけないでしょ。

いや、身も蓋もない答え方になった。
でも、本当のことだ。
ぶっちゃけ、日本兵を売春婦よりも上位に格付けするのは世界中で日本の国家主義者しかいない。「日本軍像」というものに、海外の人と国内の右翼さんとで根本的なずれがある。

結局のところ外国人はこの問題を、「日本軍が慰安婦に何をしたか」よりも「日本軍が世界に何をした」という歴史上の予備知識をもってまず受け止める。当然、右側の連中が躍起となって国内でのみ存在の余地をあらしめた「美しい日本軍」の虚像など通りはしない。
世界の目に日本の軍隊は、暴虐な侵略者であり、時の政府の命令にしたがい支配と略奪を遂行した集団、精いっぱい好意的に見ても無理やり動員された軍国主義体制の犠牲者であるにすぎないのだから。

実際、今の日本人もイスラム国やナチの軍隊をそういった目で見る。なぜ日本軍に対してだけは海外と評価を同じにできない、つまり客観的に見られないかといえば理由はただ一点、大日本帝国の軍隊が僕らの父や祖父、さらに曽祖父によって成り立っていたからである。血縁者をかばうのは人として当然かもしれないが国外の人々にとってはどうでもいいことで、彼らはあくまで日本軍を実際の事績で評価する。

こんな認識でいる諸国の前に、例のくだらない呪文「強制連行ではないから問題ない」がいかに歯が立たない空言として跳ね返されることか。なんとなれば、幾万もの女性を慰安のため用立てた日本軍自体が他国の領分に強引に押し入り、人手や資源を奪いとる存在ではなかったか?
かかる歴史上の巨悪の中で、慰安婦が「強制せず連行された」からといってどうなのだろう? マイケル・グリーンが喝破したように、多くの慰安婦が悲惨な目にあった事実に変わりあるまい。

ところが。日本側の自己弁護によればまるで日本軍というものが、平和な時代、友好国の求めに応じその領土に合法的に駐屯した普通の状態の組織集団であるかのようだ。
あいにく、第二次大戦での日本軍はそう見られていない。このとき連合諸国はまさに、その軍隊を占領地域から排除するべく多大の犠牲を出しながら戦っていたのだ!
日本軍とはすなわち世界の敵だった。そして従軍慰安婦制度とは、占拠した土地に居すわる連中の愉楽に女性をあてがうための仕組みにほかならない。
繰り返すが、「強制連行でないから――」は状況に合わないまったくの戯言だ。
なんとなれば日本の軍政下におかれたすべての人が、物資であれ行為であれ、皇軍のあらゆる求めに応じるのをまさしく強制された状態だったのではないか?
(占領とはそういうものである)

ネット右翼にかかるとこれが、「日本は欧米の支配から東亜を解放するため戦った。アジアの人は今でも日本軍に感謝している」という例の暗唱聖句で詠みあげる状況になってしまう。慰安婦なるものは軍につきまとい荒稼ぎした娼婦の集団にすぎないというわけだ。
むろんかくも実情と異なる認識とあっては、インターネットの中でさえ彼らの集団エゴがまかり通る勢力圏から外では相手にされるはずもなかろう。

慰安婦問題ほど、日本の過去に対するネトウヨ流の思い込みや勘違い、すなわち世界に突きつけたい日本軍の虚像が現実と食いちがう痛ましさとなってあらわれたものはない。
そのシンボルが少女像だ。
だからこそ安倍政権とネトウヨどもは撤去しろとゴリ押しするし、まただからこそ我々は断じて撤去などさせてはならない。反対に、彼らが崇めるよう強制してくる「日本軍の虚像」こそを破壊すべきなのである。


「少女像と日本軍の虚像」
(戦争を語るブログ)
http://blog.livedoor.jp/manfor/archives/52054904.html

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