そうだったのね、慰安婦問題!
いろんな風説入り乱れ、何がなにやらわからん感じの慰安婦問題。天才鳥類フォーゲル教授がこの問題の勘所を、人間の頭でもわかるよう解説したまとめです。
更新日: 2020年05月23日
いろんな風説入り乱れ、何がなにやらわからん感じの慰安婦問題。天才鳥類フォーゲル教授がこの問題の勘所を、人間の頭でもわかるよう解説したまとめです。
更新日: 2020年05月23日
私は吉見義明・中央大学教授と共に反論を勧めたが、態度は変わらなかった。その場で、我々が様々な質問をしたところ、証言に決定的な矛盾は見当たらなかった。ただ、時と場所が異なる事件を、出版社の要請に応じて一つにまとめたことを話してくれた。
したがって、 吉田証言は根拠のない嘘とは言えないものの、「時と場所」という歴史にとってもっとも重要な要素が欠落したものとして、歴史証言としては採用できない というのが私の結論であるし、吉見教授も同意見と思われる。
吉見教授は、国連人権委員会のクマラスワミ特別報告者に対して吉田証言を採用しないよう訴えた手紙の中で「吉田証言に依拠しなくても、強制の事実は証明できる」と述べており、多くの研究者の関心は、吉田証言への疑惑が生じた時にはすでに証言の真偽へ向いてはいなかった。
むしろ「強制」の内容の方に関心が集中していたのである。
では、吉田証言が価値のない「捏造資料」かといえば。ネット右翼が決め付けるようなまったくのデタラメとも言い切れない。それは吉田清治氏の個人的事情、そして済州島民の地域的な事情を考慮せねばならんからだ。
階行社のような旧日本軍人のための団体でさえ、南京事件への謝罪を発表すると問題視する意見が大量に届いたのだから、一軍人が手記を発表する時の圧力は相当なものがあるだろうと容易に想像できます。
ちなみに、地下鉄サリン事件ですら、被害者を探すことが困難だったという話もあります。被害を証言するだけで心の傷を深めることもあると留意すべきなのでしょう。
hokke-ookami氏のコメントから要約
現に、尹貞玉・元梨花女子大学教授が1993年に同島で調査を行ったとき、島民の強い抵抗の中で一人の被害者と推定される証言者が名乗り出た。だが、周囲からの本人への説得と制止によって、それ以上証言をとり続けることを拒否された事実がある。
(日本の戦争責任資料センターと韓国挺身隊問題対策協議会による第二回「従軍慰安婦」問題日韓合同研究会)
済州島という小さな島で名前を明らかにすることは、近隣・親戚に直ちに波及する大事件となる。もし誰かが名乗り出れば、興味本位の視線が済州島の島民全体に浴びせられる危険性を危惧しない者はいないだろう。それを畏れ、島内には箝口令が敷かれてきた可能性を否定できない。
要は証言も含め、資料批判が必要だということである。秦郁彦教授の論拠だけで吉田氏の証言を嘘と断定することはできないのである。
産経新聞などの常連寄稿家である秦郁彦氏は、河野談話が出される前の1992年3月29日に済州島に渡り、吉田証言を「実地検証」をしたという。
しかし、その内容たるや、康大元なる「海女研究家」を通訳に立て、「城山浦の老人クラブ、貝ボタン工場の元組合員など五人の老人と話し合って、吉田証言が虚構らしいことを確認」という程度のことでしかない。
ネット右翼が好んで吹聴するプロパガンダだが、馬鹿馬鹿しくて相手をする気にもならん。石坂啓の漫画でも描かれたとおり、慰安婦への人権蹂躙ぶりは1980年代前期、すでに知られておった。
Fight for Justice 日本軍「慰安婦」―忘却への抵抗・未来の責任
朝日新聞は2014年8月に「慰安婦問題 どう伝えたか 読者の疑問に答えます」という報道の点検記事を掲載。「吉田清治氏が済州島で慰安婦を強制連行したとする証言は虚偽だと判断し、記事を取り消します」とし、また「慰安婦と挺身隊の混同がみられた」ことも認めました。
これに対して、読売新聞や産経新聞などの全国紙や多くの週刊誌・月刊誌をはじめとするメディア、さらには政府自民党などの政治勢力が、〈吉田証言はウソ→強制連行はなかった→慰安婦問題は朝日によるねつ造→国際社会にウソを広めた〉という単純な図式で、朝日新聞攻撃と、日本軍「慰安婦」問題そのものがねつ造だという異常なまでのキャンペーンを展開しています。
2014年10月25日、朝日新聞の記事
日本軍が「慰安婦」の強制連行に関与したことを認めた日本政府の見解表明(河野談話)は、当該記事やそのもととなった吉田清治による証言を根拠になされたものではない。
したがって、記事の取り消しによって河野談話の根拠が崩れたことにはならない。
よしんば朝日新聞の記事で慰安婦問題が起きたという一部での主張が真を突いたものであるにせよ、それが日本にとってどう不都合なのだろう? 率直に言って、慰安婦問題が延焼して困るのは戦前の日本について特殊な史観を抱き、それを押し付けようとする者だけではないかな。
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歴史学研究会:声明「慰安婦」問題に関する日本の歴史学会・歴史教育者団体の声明(全文)
『朝日新聞』による2014年8月の記事取り消しを契機として、日本軍「慰安婦」強制連行の事実が根拠を失ったかのような言動が、一部の政治家やメディアの間に見られる。われわれ日本の歴史学会・歴史教育者団体は、こうした不当な見解に対して、以下の3つの問題を指摘する。
第一に、日本軍が「慰安婦」の強制連行に関与したことを認めた日本政府の見解表明(河野談話)は、当該記事やそのもととなった吉田清治による証言を根拠になされたものではない。したがって、記事の取り消しによって河野談話の根拠が崩れたことにはならない。強制連行された「慰安婦」の存在は、これまでに多くの史料と研究によって実証されてきた。強制連行は、たんに強引に連れ去る事例(インドネシア・スマラン、中国・山西省で確認、朝鮮半島にも多くの証言が存在)に限定されるべきではなく、本人の意思に反した連行の事例(朝鮮半島をはじめ広域で確認)も含むものと理解されるべきである。
第二に、「慰安婦」とされた女性は、性奴隷として筆舌に尽くしがたい暴力を受けた。近年の歴史研究は、動員過程の強制性のみならず、動員された女性たちが、人権を蹂躙された性奴隷の状態に置かれていたことを明らかにしている。さらに、「慰安婦」制度と日常的な植民地支配・差別構造との連関も指摘されている。たとえ性売買の契約があったとしても、その背後には不平等で不公正な構造が存在したのであり、かかる政治的・社会的背景を捨象することは、問題の全体像から目を背けることに他ならない。
第三に、一部マスメディアによる、「誤報」をことさらに強調した報道によって、「慰安婦」問題と関わる大学教員とその所属機関に、辞職や講義の中止を求める脅迫などの不当な攻撃が及んでいる。これは学問の自由に対する侵害であり、断じて認めるわけにはいかない。
日本軍「慰安婦」問題に関し、事実から目をそらす無責任な態度を一部の政治家やメディアがとり続けるならば、それは日本が人権を尊重しないことを国際的に発信するに等しい。また、こうした態度が、過酷な被害に遭った日本軍性奴隷制度の被害者の尊厳を、さらに蹂躙することになる。今求められているのは、河野談話にもある、歴史研究・教育をとおして、かかる問題を記憶にとどめ、過ちをくり返さない姿勢である。
当該政治家やメディアに対し、過去の加害の事実、およびその被害者と真摯に向き合うことを、あらためて求める。
2015年5月25日
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画像はイメージです。
(映画「愛の嵐」より)
せんせ~い。右翼の悪い子たちが、女の子に悪戯したのはぼくらばかりじゃない、ドイツもコイツもアイツも、世界中みんなやってたのに、って言ってま~す。
似て非なるものじゃな。 映画「モロッコ」などで描かれた、生きるために軍隊のあとをついてまわる娼婦たちと日本軍が組織した従軍慰安婦制度で動員された女性らとは、ぜんぜん別物なんじゃ。だからこそ、世界的な問題となった。
相変わらず。心の奥底に「当時は仕方なかった」し、日本だけではないという、開き直りの態度が鎮座。まずは他国がどうであれ、自ら心からの謝罪を表明することの重要性がわかってない。「韓国もやっていた、慰安婦問題で橋下氏」 jp.wsj.com/article/JJ1100…
なお、朝鮮戦争のとき、韓国軍が「慰安所」を持っていましたし、韓国政府は米軍に「慰安所」を提供したということがあります。これらのことは韓国の文書で明らかにされています。
ここで重大な問題は、朝鮮戦争時、韓国軍の幹部のほとんどが旧日本軍人だったという事実です。日本の陸軍士官学校などで学び、第2次大戦では日本兵あるいは日本軍の指揮下にいた旧満州国軍の将兵だった旧日本軍人が韓国軍の中心にいて、そして日本軍が犯した「慰安所」をつくるという行為まで引き継いでしまったわけです。
韓国軍が「慰安所」を設置したことは問題ですが、その背景には旧日本軍の存在があることを認識した上で、批判をしなければならないのです。
戦時中の「慰安婦」制度は、「どこの国にもあった」から、「日本だけが国際的に批判を受けるのは不当だ」という主張が右派政治家や右派ジャーナリズムなどから繰り返されています。
第2次世界大戦中、軍が組織的・系統的に「慰安婦」制度をつくっていたのは日本とナチス・ドイツだけで、「どこの国にもあった」ということ自体、歴史的事実に反します。日本の場合、「慰安所」設置の計画立案、業者の選定・依頼・資金斡旋、女性集め、女性の輸送、「慰安所」の管理、建物・資材・物資の提供など、全面的に軍が管理運営したことが、旧陸海軍や政府の関係資料でも明らかになっています。
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画像はイメージです。
このデマは、「米軍も慰安婦を利用したのだから日本を非難できない根拠」として拡散されることが多い。調べればすぐにデマとわかるから何の根拠にもならんのだが。
「軍隊には慰安婦が必要」は日本軍にしみわたった常識でした。そこで終戦のわずか3日後にもう日本政府は、進駐してくるアメリカ軍のための慰安所を作ることを考えています。
ほかにもいろいろ考えることがありそうなものですが、まず考えたことが慰安所の設置だったという発想がはずかしいですね。
「一般婦女を米兵の強姦から守るため」としていますが、占領すればすぐ強姦を始める日本軍の行状を知りすぎていたから、この様な発想になったのでしょう。