「日本ってさ〜、お隣りの中国や韓国と違って、なんでも生み出す国だぞ、スゴイだろ〜♪ |
「白人を真似する才能だろ」 |
キルロイが呆れてつぶやいた言葉。 けっして、皮肉と受け取ってはならない。 「西洋の猿真似」だけでこれだけのことを成し遂げた(ように見える)日本人の多芸ぶりに正直、驚いているのだ。 日本人はどの国民よりも恥かくのをいやがるんだろ? 世界でいちばん名誉にこだわる連中がなんで、この150年、西洋の真似ばかりしてきたんだ? 実はですね。日本人は、他人の真似するのを欧米人のように、不名誉とか罪悪とは感じていません。 日本人にとっての模倣行為は集団に同化する行為にほかならず、同化できないことが不名誉であり恥だったんですから。 同化?
独創性はどうでもいい、「お手本」から手早く学べるか否かで人の値打ちが決められた。 良くも悪くも、そこに日本文化の特徴と社会の発展性があったわけで。 日本が独特の文化圏だってのはよくわかった。 それで。百年前の意識に立ち返ってみれば、西洋の真似ができるのは恥なんかじゃなく、誇りですらあったんです。なにしろ、非白人圏で日本ほどじょうずに近代化という西洋の模倣行為を成し遂げた国はありませんでしたから。 そうすっと、日本人とうまく付き合うには、真似する才能を誉めてやらんといかんわけか。 そのはずだった。 ところがですね。いまや、そうした価値観そのものが変わってきています。 これまで、西洋のノウハウを身につけられるのは日本の特権のようなところがあった。 それが近年、韓国や中国などアジア全体が躍進を遂げたことで、経済成長や技術革新が自分らだけの特殊技能でないのがわかってしまい、固定的な自信が揺らいできたのである。 長きにわたり、アジアの中では日本だけが先進国のメンバーでいられたのに、後続が次々とよじ登ってくる。 現代日本人にとって、深刻なアイデンティテーの喪失を意味する事態にほかならない。 現在、「中国人や韓国人がいかに日本のものをパクってばかりか」ということで、ネット右翼は悪態を吐きまくり、メディアでもさかんに批判的な報道をしています。 まるで日本人が世界でも有数の創意に優れた民族で、なんでも自分たちで案みだしたかのような、事実とかけ離れた自己認識が造りあげられつつあるというわけで。 やっぱり個性的な連中だな、日本人は。 ありがとう。 |
キルロイ見てるぞ
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