日本を腐敗させる享楽主義



過去の戦争を振り返ったとき、
「みごとな負け方」を讃えるばかりで
「どうして敗れたのか」という方向で考えられないとすれば、
その人は享楽主義に蝕まれた「亡国の徒」にほかならないでしょう。

そう、享楽主義。
享楽主義こそ現代日本の大敵かもしれません。
浪費と贅沢、ブランド品、トレンド、アイドル、ゴシップ、虚栄心による開き直り……
こうしたフジテレビ流の享楽主義が八十年代このかた、
社会をどれほど腐敗させてきたか計り知れないのです。
享楽におぼれた人々は、忍耐心を失い、必要な場合でも苦痛を味わうのを避けるようになりました。
その結果、一部では、過去を正しく認識するのを「自虐史観」として忌み嫌い、
『ゴーマニズム宣言』の示す甘い集団性の夢想にふけるという病理状況をさらしています。

形骸だけの愛国心を表明しても役には立ちません。
真に有益なのは、
日本は善だったか悪だったか果てもなく論じ合うことより、
その敗因を徹底的に究明することだと思います。
そこから、議論に答えをあたえてくれる日本の本当の姿が見えてくるのです。



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