毒をもって毒を制す
(ネオジャップについての補足)



「ジャップ」と呼ばれて、愉快に感じる日本人はないでしょう。
それは私もおなじです。
この歴史的な蔑称はおもに、一時代前のハワイやカリフォルニアで、 日本からの移住民が差別主義者の白人から浴びせられました。
移民たちは、貢献の度に見合わない扱いを受けたあげく、収容所に隔離までされてなお、彼らの決めた祖国への忠誠の念をひるがえすことはありませんでした。

その彼らもいまでは、子孫ともども合衆国の市民権を得て、社会を支えるのに欠かせぬ一員として活動しています。
日系人は、社会への同化を拒もうとする一部の連中の迫害にもめげず、その社会に奉仕し、同化を成し遂げてみせたのです(「プロジェクトX」では扱わない題材でしょうが)。

そうした根性は、わたしの言う「ネオジャップ」にはありません。
彼らは無意味な差別的言辞を弄することで集団的な虚妄に浸ろうとする寄り合いでしかなく、こんな連中に「ジャップ」という呼称を用いるとは、たしかに、名誉ある日系人たちへの冒涜になるでしょう。

ではなぜ、わざわざ「ネオジャップ」なる呼称を用いるのか?

この愛国者気取りでいるだけで日本の害にしかならない連中をへこますには、彼らがもっとも呼んでほしくない呼び方で呼んでやるべきだからです。
だから、「ネオジャップ」なのです。

同じ日本人からさえ「ジャップ」と呼ばれ、蔑まれる奴ら。
それが彼らです。



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