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貴方がお奨めの「世界の愚将/悪将」は?

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山本愚将説にまつわる中間報告
投稿者: Manforstorm
2000年8月24日 午前 5時32分
メッセージ 2290
 今回の議論はもともと、当コーナーに私が「山本五十六は空母機動部隊を無駄に突撃させた」と投稿したことから始まりました。その根拠として、彼が太平洋に戦力を投入したことの無益さを指摘し、より有効な艦隊の役立て方があったはずと思い、あきらかに太平洋作戦より望みが僅少でもあるはずの枢軸側同盟国との合同戦略をシミュレートしてみせたわけです。
 これを優秀な作戦として薦める意図はなかったし、大勝利をもたらす戦術として印象付けた覚えもありません。そのことは投稿文をまともに読んでくれた人には理解してもらえると思います。
 ただ、皆さん架空戦記がお好きらしく、こちらの訴えたかった主題よりも、スエズ攻略の成否をめぐる議論のほうへ興味の焦点が合わさってしまった感があるのです。
 果たして、少なからぬ反論が寄せられましたが、最終的にどれひとつとして、こちらがおこなった投稿の主眼を否定し去るものはありませんでした(まあ、当然でしょう。土台、挑んだ議論が核心からずれているのですから)。
 私は、一貫して、以下のことを主張しています。

「短期決戦早期講和の望みはなく、太平洋でいくら戦っても戦力を消耗させるだけだった」
「ドイツは米軍を一正面で迎え撃たねばならなかった」
「日本とドイツは、緊密に連携して世界戦略を遂行すべきだった」

 これらのことはすべて、「火を逃れる者は水に入るべし」という意味での当然なすべき措置、軍略からしても物事の道理からしても「当然見えてくる」ことばかりなので、わざわざ私が裏付けをおこなう必要があるとは思えません。

 こうした三つの絶対条件から導きだせる戦略方針は、「あの1942年というタイミングを逸することなく、精強な空母機動部隊による軍事活動を、独軍が米軍を一正面作戦で迎え撃つための準備行動、すなわちソ連を抑え、英国を骨抜きにする目的で挟撃作戦を進めていたコーカサス軍とロンメル軍の動きと協調させること、要するに「欧州要塞」の防備強化のため日本の海軍力を役立てるべきだった(太平洋で無益に浪費するくらいなら)」となるわけですが、それでもなおしつこく反論を仕掛ける人がいるのは残念なことです。それらの方々は、いちいち「これでは成功しなかった」とクレームを付けるのではなく、他のより理想的な戦略図を提示してくださらないかぎり、私は説得されませんし、おそらくは、だれをも説得することはできないでしょう。

 「それで勝てたという保証はありません」とは何度も言いました(ミッドウェーや、連合艦隊の援護なしでロンメル軍がこうむった敗北なら、すでに事実として結論は出ていますが)。

 また、枢軸側が勝った方がよかったとは、一度も言っていません。
 これは強調しておきますが、私はヒトラーや天皇制支持者の味方ではなく、逆に、常識的な国連史観の側に立つ人間です。
 「こうしたほうがマシだった」という仮定は、1942年になした山本提督の選択の誤りを炙り出すための方便として用いたものにほかなりません。

 最後に。
 私は、「戦争をやめていれば」という最良の解決案は除外しました。
 それは、山本にもヒトラーにも、いかなるやり方によっても不可能なことだったからです。


 これは ヤフー掲示板で実際におこなわれた論争を再現したものです