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やっちゃったのね、第二次大戦!

天才鳥類フォーゲル教授が解説するあの戦争の全貌。

更新日: 2020年05月04日

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驚くことか。常識を使えば、誰にでも見えてくる。

当時、枢軸側とりわけ日本にもっとも欠けていたのが、その常識だったが。

【山本の負け方】

ちょっと! 日本が南方に討って出たら、アメリカがほっといてくれるわけないでしょ。チャーチルとルーズベルトはあんなに仲良かったんだもん。絶対、邪魔してくるから。 pic.twitter.com/VO5U79Twmn

1941年8月、大西洋上でチャーチルと会見するルーズベルト大統領。
「連合国」成立の端緒となった大西洋会談である。

海上輸送もフィリピンの米軍から妨害受けて、史実どおりに短期間で東南アジアを席巻するなんて無理も無理。やっぱりハワイを最初に叩いた山本五十六の判断は件名だったよ。

いや、賢明。

日本人の頭ではいまだに、米と英とがごっちゃになっとるが、アメリカ合衆国と大英帝国は別々の国じゃぞ。米国政府の意図と米国世論の違いもわかっとらんようだが、あの国では大統領も国民に従属する立場で人々の求める方向に政策を合わせねばならんかった。

そして。欧州がドイツに蹂躙され、英国があれだけ追い詰められても武器を取らずにいるアメリカ国民がどうして、シンガポールや蘭印を守るため乗り出してこようぞ。

大統領はともかく、合衆国の有権者は軍事介入に反対だった(だからこそ、自分で戦わずにすむ武器貸与法が出来た)。 そんなアメリカ世論が俄然、打倒日本の熱気でみなぎるのは、「賢明」な山本五十六に真珠湾をだまし討ちされてからだ。

■日米開戦の通説を検証
■宣戦布告が遅れ、日本は汚名を着せられた?
http://matome.naver.jp/odai/2138632036451261401?&page=3

たしかにルーズベルトは、英国や中国を応援しナチと日本を叩こうとしたが、米国民のほうは戦争から遠ざかっていたかった。指導者の展望と国民意識とで、ずれが生じた状況じゃな。それが真珠湾攻撃でひとつに結びついた。

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 開戦直前に大本営が立てた戦略案は、むしろ順当なものだった。
太平洋では長期持久体制を確立、米軍の反攻に備える。インド洋で独伊と結び、英本国をインド、オーストラリアから切り離しイギリスを脱落させる。そして援蒋ルートを遮断し重慶政府を孤立化、「支那事変」の収束に持ち込む。
(援蒋ルートとは、中国国民党を支援する米英からの物資補給路のこと)

 ところが、山本五十六が異を唱えた。事実上ひとりで騒ぎ立て、自分が年頭から準備させていた真珠湾攻撃を強行、それで相手方を憤激させ初っ端からリベンジ・モードに切り替えてしまう。「短期速攻」どころでない、蜂の巣を叩けばどうなるか当然わかるはずの結果を招いただけである。
(ヤマモト信者はこれを、「通告が遅れたせい。大使館の不手際」で片付けるが)
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あげくには。国防圏を守るのに無くてはならぬ空母機動部隊を太平洋方面で無為に沈め、航空兵力も消耗させよった。山本の目論見どおりに運べば日本が救われたかのように描くバカ映画があったがの。実際は「日本を救う」どころか、勝機さえ奪って奈落の淵に引きずり込んだのが山本五十六である。

あららら。言っちゃっていいの? ねえ、そこまで言っちゃっていいの?

いけねえんだ、みんなと違うこと言ったら絶対いけねえんだ。

言うしかあるまいが。神話や仮想戦記とちがう、歴史の授業じゃ。

でもさ。山本カルトってどうしてこんな、大失敗だったのが証明済みの短期決戦案にこだわるの? それしか日本を救う術はなかったみたいに。

山本五十六を偶像にしておきたいのだろう。あの時代がダメ軍人ばかりでは暗黒の日本史じゃて、心の支えになるスターがいないとやり切れんのだ。

しかしながらダメ軍人の最たるものこそ山本五十六なのである(きっぱり

さっきから上から目線で「ダメ軍人」を連発するけど、あれほどの偉人をそこまで無能扱いって無礼千万でしょ。まるで自分が同じ立場だったらもっと上手く出来たような口ぶりで、山本大将をあしざまに貶めるそちら様は軍人なの? さぞや地位の高い、連合艦隊司令長官よりもはるか上の階級なんだろうね?

ボケたこと言うでない。まずい蕎麦を喰わせた店を「ダメな蕎麦屋」と評するように山本のこと、「ダメな司令官」と言っとるにすぎん。それを、「軍人でもないのに軍人を貶すな」とはなんたる話のそらし方だ?

同じ地位や身分でなければ文句を付けられない。そんな屁理屈が通ったら、誰にもなにも批判できなくなってしまうぞ。実際、国民の血税でこしらえた大艦隊を壊滅させ、祖国に敗亡をもたらした人物はそれだけで海軍司令官に不適格である。批判する側が「海軍司令官に適格か否か」などどうでもよいのじゃ。

日本人である必要すらもない。いや、人間でなくたってよい。

そのとおり。ヤバイ走らせ方をするバスの運転手は、乗客の総意で罷免できるのが民主主義国家ってもんだ。乗客に運転の上手い下手は問われない。

医師であれ配管屋であれ蕎麦屋であれ……誰しも自分の技能外の職種からサービスを得た結果、診療ミスや欠陥工事、まずい蕎麦で懲りたのなら未熟な仕事ぶりに文句をつける資格をもつ。文句をいう側に医療や工事や料理がこなせるかは関係ない。

同様に、海軍司令官の判断ミスが大きな理由となり亡国の憂き目にあった国民の末裔ならば、軍人であろうとなかろうと、そうした人物の愚劣な戦いぶりを糾弾するのは当然の権利であり義務なのだ。 わしらの立場は、まずい蕎麦屋の店員ではない、まず民主主義国家の成員なのじゃから。

大事なことなので繰り返す。

「まずい蕎麦屋の店員」
ではない、
「まず民主国家の成員」
なのである。

考えたら、皮肉。ほんとうに自国を救ったはずの選択が、山本五十六やヒトラーには見えなくて、それをフォーゲル先生のような逆の立場の御方がいとも容易に説き明かすんだから。

そんなの、後出しジャンケンじゃん。今の視点からだったら何とでも言へるよ。

後出しでも中出しでも、かまわん。敗北の理由を突き詰め、マシだった策に思いめぐらし、別の機会でしくじらぬよう備えるのは大事なことじゃ。あくまで山本の失態を認めず偶像視するばかりのネトウヨどもに、勝とうという気のないのがよくわかるわい。

いつか、山本五十六の落ち度から学ばぬ者がふたたび日本を敗亡させるかもしれん。 pic.twitter.com/42b3VPvNHP

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