ご注意
以下の文章は、2009年秋より前に、
つまり自民党がまだ日本を支配していた頃に書かれたものです

靖国主義は、日本のナチズム
――ROOSTER ROOST――




「そこのニワトリ。この塀の上はキルロイ様が先着だぞ」
「おあいにく様。ぼくのほうが先でした」
「俺はな、どんな場所にも必ず、一番乗りで決めてきたんだ」
「あなたが一番乗りした塀ができる前から、ぼくはいるんです」




これから、身内の恥をさらす真似をしなければならない。
つまり、「日本にはこんな変な奴らがいる」ということを書く。

そのことが、日本人という集団を貶めるどころか、隣人たちが彼らを理解する助けとなり、日本自身に世界と一体の存在だと自覚させる役にも立つということを、他人事のように突き放して、書く。

むろん、他人事ではない。
1990年代半ば頃から今にかけての日本の世相ときたら、諸々の面で普通らしさが欠けており、鈍感でない心の持ち主には苦行を強いるところが多かったから。

それもすでに、高みから冷静に眺められるようになっている。
波を荒立ててきたのは、日本の靖国主義とその影響をうけた人々だ。

彼らは二世代前の日本人のように、アジアを征服しようとしたわけではない。
その時の歴史を捻じ曲げようとしたのだ。
広く認められた動かしようのない通念に異を唱え、身内の間だけでも黒を白と言いくるめて通そうと、ジタバタのた打ち回った。
そして、挫折した。
醜態が演じられたのは国内でのことだから、その見苦しさが海外にまで伝わることはあまりなかったが。

しかし、彼らの努力、彼らを阻止しようとした人々の努力は評価されるべきだ。
この動きがなぜ起こり、どういう事情で目論見が成し遂げられなかったか銘記することも。
靖国主義者には歴史こそ変えられなかったが、彼ら自身が歴史の一部として刻み付けられることはした。
世界の歴史はあらたに、次の一節を付け加えねばならないだろう。

『二十世紀末から新世紀初頭にかけての日本では、軍国主義時代の正当化と旧時代の価値観のリバイバルを掲げる「日本会議」と呼ばれるカルト的政治団体が政権を掌握するまでに躍進した』

なんといっても、これは現実に起きたのだから。


( 続く )






キルロイ見てるぞ


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