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事実を裏付ける資料です
投稿者: Manforstorm
2000年8月24日 午前 5時31分
メッセージ 2280
 Westpoint_1999さん。
 いつものことながら、公正なる資料のご提示、ありがとうございます。

 「メッセージ223」と「メッセージ224」で引用なさった記録がすべて事実を裏付けるものであるとすれば、当時の軍上層部も陸海軍も、自国周辺の水域を強化するためだけにインド洋作戦を考えていたことの証拠となるでしょう。
 かかる通り、おそらくだれも(!)、枢軸諸国が強固に連携することの不可避性を真剣に考えようとしなかったことが日本の最大の敗因です。
 皇軍上層部はあきらかに、枢軸側との合同戦略をついに企むことなく、ヒトラーと同盟したことによる場当たり的な恩恵だけを享受しようとしたわけであり、山本五十六もそれら高級軍人らの発想から大きくはずれることができなかったとすれば、彼に海軍をまかせた国家が自滅への道を歩んだのは当然だとするこちらの持論を強化するものとなるでしょう。

「軍令部と参謀本部の反対により、予定していたセイロン島攻略作戦ができなくなったので、連合艦隊はそれにかわるものとして、ミッドウエー作戦を選択した」
 上の事実にもとづいて、Westpoint_1999さんはおっしゃられます。
「そうすると、山本提督はManforstormさんの評価基準にてらしても、それほど無能とはいえなくなります」
 いえ。残念ながら、やはり彼を賢将と呼ぶわけにもいきません。
 「セイロン作戦が挫折したからミッドウェーに進んだ」では、「脳腫瘍の手術ができないから胃を切除する」という代理策を取ったのと同じで、私にはまるで無意味に受け取れますし、インド洋に進む目的が独軍との協調ではなく、日本の裏庭を守るという狭い視野にもとづいたものであるとすればなおさらのことでしょう。
 そんな選択をするほどなら、その時点で降伏したほうがマシだったとさえ思います。
 山本提督には、太平洋に軍を進めれば永劫に戦い続けねばならなくなるだけという将来がまるで見通せなかったことをやはり裏付けるものと言わざるを得ません。
 それは、敵艦を千隻も沈めれば、米国民の士気が阻喪するより先に米国の戦時生産のほうを破綻させられたでしょうが、その前に日本列島が沈められたことは間違いないからです。

 苦労して調べてくださった戦史資料のご提供に反論で応じる無礼となり、さだめし呆れたことと思いますが、ご容赦ください。  それにしても、このような実り少ない仮想的論議に深入りしてくださったことに、重ねてお礼を申し上げます。


 これは ヤフー掲示板で実際におこなわれた論争を再現したものです