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日本の対ソ攻撃について
投稿者: Manforstorm
2000年8月25日 午前 2時43分
メッセージ 2400
 Westpoint_1999さん。
 「スエズ仮想戦記」に対する初めてのまともな反論、感謝します。

 1942年に日本軍が対ソ攻撃をおこなうことが枢軸側にとって局面の最良の打開策との主張は、多くの戦略家、歴史家、作家によっておこなわれたことです。
 しかし、私はその可能性は退けました。
 シベリアをもぎ取ることが対ソ戦の勝利に貢献しないのは、オーストラリアを占領することがイギリスを屈服させる役に立たないのと同様との判断に基づくものです。
 半球大の広がりをもったソ連のような国家にとって、関東軍の前面に立ちふさがるシベリアは国土ではなく、領土であるにすぎません。
 ソ連の目は、合衆国の目と同様、つねにヨーロッパに向けられてきました。
 日本軍が攻め込むことでソヴィエトの国家機構に深刻な動揺が起こるとは考えにくかったのです。
 そのうえ、シベリアの地形、気候、広さ自体が、陸上兵力の西進を阻む天然の要塞として作用し、パルチザン活動とあいまって、進撃する日本軍に甚大な損失をこうむらせたかもしれません。
 そもそもソビエト連邦は、十月革命後の数年間、白衛軍との死闘に明け暮れする建国時のもっとも苦しい時期に、東西から四ヶ国の干渉軍(日本を含む)に国土を踏みにじられるという祖国敗亡の危地に陥りながら、なお事態を切り抜けているのです。
 ですから、日本がソ連に宣戦布告したとしても、それは巨大な関東軍がシベリアに釘付けとなって動きが取れなくなるだけの結果に終わっただけでしょう。
 したがって、「一時、一所、全力投入」との戦術原則に従い、兵員も弾薬も燃料も、すべて、南方での作戦に集中的に活用したほうがはるかに得策だと結論付けたわけです。

 メッセージ235「連合艦隊の戦略的運用法」の主眼である海上戦略については、次の投稿で意見を述べさせていただきます。


 これは ヤフー掲示板で実際におこなわれた論争を再現したものです