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大西洋と北アフリカの戦局について
投稿者: Manforstorm
2000年8月25日 午前 8時07分
メッセージ 2410
 1942年、ドイツ潜水艦隊はなお大西洋で猛威を振るっていました。
 連合軍がドイツを打ち破るためには、北米大陸から欧州まで、数百万の将兵と装備、同国諸国への膨大量の援助物資を海運によって送り届けねばなりません。
 Uボート群による活動は、かかる大規模な船団護送を成功させるうえでの最大の障壁となっていたのですが、このとき、輸送ルートから独潜水艦を一掃し、制海権を奪回するという大任をやり遂げたのが、米海軍大西洋艦隊でした。
 この「大西洋の勝利」は、ミッドウェーやマリアナ沖海戦のような、かぎられた水域に大規模な海上兵力が結集してのせめぎ合いではなく、北大西洋上各所での小さな戦闘が積み重ねられることで達成なった戦果です。
 彼らの功績により、あとに続く北アフリカ上陸、イタリア上陸、ソ連への軍需品の補給、そして北フランスへの大規模な侵攻ははじめて可能となりました。
 ミッドウェー、エルアラメイン、スターリングラード、ソロモン……第二時大戦中盤のあらゆる動きの中で、この「大西洋の勝利」こそもっとも重要な出来事だったと評価できるでしょう。
 それはともかく、ドイツはもっと多数のUボートを建造してからあの戦争を始めれば、合衆国の兵力と生産力がどんなに巨大でも、米大陸を発進した兵員や物資を欧州や北アフリカに寄せ付けることなく戦いを進められたかもしれません。
 本題からずれました。

 Westpoint_1999さん。
 「メッセージ235」に対するいくつかの反証において、あなたの投稿文に散見される弱点を指摘する結果となりましたが、あなたの論述や知識について貶めようとの悪意にもとづくものでないことだけは、どうかご了解願いたいと思います。
 私はけっして、全体の主旨から逸脱した揚げ足取りのような仕方での反証はおこなわなかったつもりです。


>北アフリカ戦線は基本的には陸戦ですから、いかに機動部隊が強力であっても、陸兵の上陸による背後からの攻撃がともなわなければ、戦局を決定する力とはなりえないでしょう。

 インドで騒乱が始まり、日本海軍がスエズに迫ったという事実だけで、ロンメルの進撃を阻んでいたモントゴメリーは、背後の守りに備えるため、敵より優っていた軍を分割せざるを得ず、それはドイツ軍によるカイロ攻略への切り口となったはずです。
 空母から飛び立った艦載機が空爆を加え、上陸した陸戦隊が牽制攻撃をするならば、より有効でした。
 ロンメル軍団がスエズで日本の空母機動部隊と合流することは、最強の陸軍、最強の海軍、最強の航空兵力が大英帝国の心臓部において一体となった軍事的事実を意味します。
 そうなったあと、どのような戦果が成し遂げられるかは仮想戦記の世界ですが、しかし、そうなることだけは絶対に実現させなければならなかったのです。
 スエズの攻略は、ドイツと日本が合同でなすことができた最大の戦果をもたらす最高の作戦であり、枢軸陣営にとって生命線を確保するための連帯が連合軍の前に試される作戦となるべきものでした。


>スエズが危機に陥れば、連合国側はトーチ作戦を繰り上げて、アメリカ軍の北アフリカ上陸をより大規模に実施したと考えられます。つまり、このシナリオでは、1942年中にすなわち「欧州要塞」が完成するまでに、北アフリカでの本格的な米軍の対ドイツ反攻を結果としてひきおこすことになります。

 1942年の早い時期では、Uボートの脅威はなお無視できず、米軍はトーチ作戦を上回る規模での兵力投入は不可能だったと思います。
 北アフリカに米軍が上陸しても、そこからスエズまでの陸路は遠く、補給が延びきった時点で、占領したスエズに陣取ったロンメル軍に徹底的に打ち破られていたかもしれません。実際に、初期の米軍は非常に弱体だったのです。


 ドイツ側がもちこたえるには、地中海を完全に制覇しなければなりませんが、さすがの連合艦隊も地中海までは進出不可能でしょう。

>これは私にもわかりません。地中海を制覇するまで、つまりジブラルタルの陥落まで、連合艦隊が欧州戦略に貢献できればベストですが、スエズが枢軸側の手に落ち、日本海軍が地中海に進出すれば、スペインのフランコは、今度こそヒトラーに協力を申し出る可能性はあったし、トルコもドイツの味方となったかもしれません。

 さて。
 いよいよ、核心である1942年の国防圏水域での対米戦についてです。
 次の投稿をお待ちください。


 これは ヤフー掲示板で実際におこなわれた論争を再現したものです