人類の本性に歯向かうような娯楽性の欠如
(邦画余話)




 助け船さん、再度のご訪問ありがとう。
 おっしゃるとおりJポップは、アジア全域の若者の間で人気を得ています。JゲームやJコミックについても同様でしょう。けれども、ここが絶望を感じさせる理由ですが、Jムービーとなると、日本の若者に人気がないのとまるで同じに、どこの国でもまるでソッポを向かれているわけです。
 当サイト管理人はやはり、そこのところを憂いているのです(笑)。

 いったいどうすれば、かくのごとく自国の若人らのニーズにも応えられない映画づくりが可能となるものか?
 原因を突き詰めていくと、おおかたの国産品に共通してみられる「人類の本性に歯向かうような根本的な娯楽性の欠如」にあるとしか思えません(ここまで言ったらオシマイですが)。
 日本映画産業の没落に大きな功績を果たした日本の観客は、西洋かぶれだから西洋の映画を受け入れたのではなく、上記のような伝統にこだわった映像商品だから、まさに日本映画だから観にいかなかったのでしょう。
 つまるところ、「洋高邦低」の現状をあらしめたものは、ハリウッドのほうが日本人より、はるかに「人類の本性に合わせた」映画づくりをしていたからとしか申しようがありません。
 逆に言えば、そこに国内映画産業を立ち直らせる鍵がひそんでいるのですが。