そうだったのね、慰安婦問題!
いろんな風説入り乱れ、何がなにやらわからん感じの慰安婦問題。天才鳥類フォーゲル教授がこの問題の勘所を、人間の頭でもわかるよう解説したまとめです。
更新日: 2020年05月23日
いろんな風説入り乱れ、何がなにやらわからん感じの慰安婦問題。天才鳥類フォーゲル教授がこの問題の勘所を、人間の頭でもわかるよう解説したまとめです。
更新日: 2020年05月23日
小林漫画に充満するイカサマぶりについては、これらのサイトで散々やり込められているのでご参照を。
日の出講芸/アンチ「ゴー宣」
http://www31.ocn.ne.jp/~hinode_kogei/antigo.html
小林よしのり、極悪の反人権漫画家の慰安婦論を討つ(1)
http://tarari1036.hatenablog.com/entry/2013/06/14/203950
小林よしのり、極悪の反人権漫画家の慰安婦論を討つ(2)
http://tarari1036.hatenablog.com/entry/2013/06/14/215400
小林よしのり、極悪の反人権漫画家の慰安婦論を討つ(3)
http://tarari1036.hatenablog.com/entry/2013/06/17/182613
小林よしのり、極悪の反人権漫画家の慰安婦論を討つ(4)
http://tarari1036.hatenablog.com/entry/2013/06/17/215551
「小林よしのり『戦争論』」批判
http://blog.livedoor.jp/qingmutong/
小林よしのり氏「戦争論」の妄想
http://www.geocities.jp/yu77799/nankin/yosinori1.html
小林よしのり氏「戦争論2」の妄想(1)
http://www.geocities.jp/yu77799/nankin/yosinori2.html
小林よしのり氏「戦争論2」の妄想(2)
http://www.geocities.jp/yu77799/nankin/yosinori3.html
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占領期の日本女性を米兵の目で描いた漫画「Babysan」
別に、日本の慰安所が描かれた漫画じゃないんだが、 占領期から独立直後にかけての日本で女性たちが、米兵からどう見られていたか知る手がかりになるだろう。 pic.twitter.com/cf1BhiWbqI
ビル・ヒューム(Bill Hume)作「Babysan」より。
まあ、米軍に大きな顔された時代のことは日本人にとっては忘れたい黒歴史だろうが、駐留期間に忘れがたい思い出をもった米軍将兵も少なからずいたわけだ。 pic.twitter.com/EyIkEdp7fN
ビル・ヒューム(Bill Hume)作「Babysan」より。
「細い目、平坦な顔、低身長」という日本人が認めたがらない容姿の枠内でそれなりに魅力的にキャラ立てされてた気がする。むしろ、西欧コンプレックスから日本娘を白人みたいに描いてはばからない今の日本の漫画家に見習ってほしいところだ。 pic.twitter.com/TSgI5rGa2f
ビル・ヒューム(Bill Hume)作「Babysan」より。
慰安婦問題で日本が不利なのは、韓国のロビー活動のせい?
外部から働きかけて成果を挙げる場合もあれば、まったくうまくいかない場合もある。たとえば日本が米国議会を動かし、「日本軍がアジア解放で果たした功績を称える決議案」を成立させられるか考えればわかるだろう。はじめから不可能なことだ。 しかし、日本軍慰安婦制度への非難決議は成立した。
これを日本の右派は負け惜しみたっぷりに、「米国人が自発的に立ち上げた法案じゃない。韓国が活発にロビー活動をおこなったせいだ」と言うが、正しい見方ではない。なんとなれば、当時の安倍政権も慰安婦制度非難決議を妨害するため韓国以上に大々的なロビー活動をおこなった。 そして負けた。
このロビー合戦は今でも続いてると思うが。人口一億三千万の日本が人口五千万の韓国を相手になお勝てないんだから、米国から見ていかに「日本側」の主張に共感できないものがあるかわかるだろう。
二つの国連報告書
世界が日本の慰安婦制度をどう見ているかは、1995年のクワラスワミ報告と1998年のマクドゥーガル報告を読むといい。まず、ここから始めないと慰安婦問題での決着点は永久に見えてこない。なぜなら、これら両報告書にみられる認識こそが慰安婦問題で反論する者のおかれた現実なのだから。
これらの報告書には事実誤認が多い、と訂正を求めることは可能である。しかし、誰がどんなやり方で? あきらかにアジア太平洋戦争での日本軍の役割を賛美するような精神状態の人が「日本軍はこんな酷い軍隊ではない」と国連に文句をつけても、受け入れられることはないだろう。
したがって、「なでしこアクション」のように特殊な団体によるメール攻勢では認識の変化にまったく影響をもたらさない。むしろ、はっきりと逆効果である。 では、あの戦争での日本の非を認め、慰安婦制度についても深く恥じているような人が抗議しても効き目がないのだろうか?
有名な話だが。クワラスワミ報告の作成時、慰安婦問題研究の第一人者たる吉見義明博士が「吉田清治氏の証言は信憑性に疑問があるので採用しないように」と手紙を送ったにもかかわらず、忠告は退けられ採用されてしまったという経緯がある。 そう、吉見義明博士の忠告でさえもだ。
マクドゥーガル報告でも、荒船清十郎の証言をもとにした「14万5000人の朝鮮人性奴隷が死んだ」との箇所があり、すなわち報告の作成者がこれほど荒唐無稽な話をなんの疑いもなく信じてしまったことを物語っている。
素直に驚いてほしい。それくらい日本軍に対するマイナー・イメージには固定的で根深いものがあるのだ。「あの暴虐な軍隊ならどんな酷い真似だってやるだろう」。これが海外での基本認識で、とりわけ男尊女卑で悪名高い日本の男達の戦地での女性の扱いが欧米人に劣らず紳士的だったと思う者などいない。
ちなみに。クワラスワミ氏もマクドゥーガル氏もレイシストではないし、日本に対する特別な悪意や偏見をもっていたわけでもない。報告書はむしろ、心身に傷を受けたアジアの女性たちへの善意によって貫かれている。日本からも慰安婦被害で名乗り出る女性がいれば同じように同情してもらえたことだろう。
繰り返すが。二つの国連報告の作成者らに「日本軍も普通の軍隊」という認識があれば、クワラスワミ報告やマクドゥーガル報告はけっして、今あるかたちにはならなかっただろう。半世紀後にデマや流言まで疑問なく受け入れられてしまうほど極限的悪役の印象を残した日本軍って一体なんだろう?
日本軍がインドネシアに抑留された数百名のオランダ女性を性奴隷として扱った件は、実際の規模以上に欧米人にあたえるインパクトは重大だ。彼らは「もし自分の故郷が日本軍に攻め込まれたら、友人も家族も、そして自分もこうなっていた」という視点で事件を見るからだ。
ネット右翼は日本兵による蘭印でのオランダ女性陵辱を、「限られた地域での例外的な出来事」と済ましこむが、欧米人は「例外的な出来事」とは見てくれない。スープの一匙と同じでそこに日本軍というものの普遍的な性向を読み取るのであり、ネット右翼でない日本人は済ましこんでなどいられないのだ。
慰安婦か日本軍か? と訊かれれば、世界の大半の人々は日本兵によって「酷い扱い」をされた(ということになっている)慰安婦のほうに同情し味方するだろう。暴虐なアジアのファシスト兵とその支配下でのか弱い娘たちという構図だから、当たり前のことなのだ。
この「慰安婦か日本軍か」という問題を、「慰安婦か現代日本か」と混同し、本音をさらして大騒ぎするのが極右政治家とネット右翼。彼らの中では旧軍と今の日本とが同体なのだ。
この場合、「日本兵も酷い目に遇っていた。奴隷と変わらなかった。死ねと命じられれば死なねばならな かった」といくら言い訳しても聞き入れてもらえない。加害した側がどんなに苦渋を言い立てようと、それで慰安婦らに苦渋を強いたことが相殺されるわけではないからだ。